――ユリアンという人物について、どのような印象を持っていますか?
とてもよく出来た人という印象ですね。子供のときから全然ミスというか、突っ込み所がなく、成長して大きくたくましくなってからも尚、スキのない感じで……。ただただ凄い人だなあ、と思っていました。ちょっと羨ましく思ったりもしますね。それでいて、普通の若者らしい面も何気なく出ていましたよね。特に、作品の後半では、恋人らしき人も現れたりなんかして。あのときの、女性に対する“慣れていません!”という雰囲気はなんだかとても可愛かったです(笑)
――ヤンとユリアンの関係について、どのように思われますか?
ユリアンにとってのヤンは、多分、むちゃくちゃ尊敬していて、むちゃくちゃ憧れていて、もう誰よりも好きで、本当に、特別な特別な特別な……愛しまくっている存在なのではないかと思います。
出会った頃のユリアンはまだ少年でしたから、ヤンは、「ああ、可愛い男の子が来たなあ」という、子供に対するような感覚だったと思いますが、ユリアンの成長につれて、だんだんその目線は、少しずつ大人に対するものへと変わって、ちゃんと成長したなりの接し方をしていましたね。見方が変わっていたと思います。ユリアンも、成長して様々な経験をして、ヤンに対する接し方が変わっていきましたね。
――アフレコでのエピソードがありましたら、教えてください。
デビューしてまだ間もない頃に頂いた役なので、“こうやって演じよう”などと考える余裕すらもなく、音響監督さんから頂く指示の通りに演じようとするので精一杯でした。当時は夢中でしたが、今思うと、ちゃんとその通りこなせていたのかな、というレベルだったかもしれません。共演者の皆さんが、実年齢にも芸歴にも開きのある大ベテランの先輩ばかりでしたし、ユリアンは重要な役だということも伺っておりましたので、プレッシャーとは少し違うのですが、毎回かなり緊張してアフレコをしていました。
――故富山敬さんとのエピソードはありますか?
ユリアンの台詞が多いときは、スタジオでは、僕は一層緊張して台本ばかり見ていました。そんな中で、(ヤン役の)富山さんが、若手の緊張を和らげようとして言葉をかけて下さることが多くて、本当に嬉しかったです。富山さんは、とても穏やかで寡黙で優しい方で、そしてとても品格のある方でした。尊敬する大先輩ですし、こちらも、自分の台詞で精一杯だったので、なかなか話しかけたりは出来ませんでしたが。スタジオにいらっしゃる富山さんの佇まいは非常に美しく、かっこよく、素敵でした。たくさんお話したことはありませんでしたが、演技面だけではなく、人の生き方として、富山さんからは多くを学ばせて頂いたと思っています。