――アッテンボローという人物をどう思いますか?
いろいろな役をやらせて頂いている中で、アッテンボローという人物は、だんだん自分の中に入ってきて、いつのまにかどんどん存在が大きくなって、気が付いたら、どーん!と目の前に大きく存在していたような、そんな印象があります。
最初は、いい加減な人だと思っていたんですよ(笑)肩に力を入れずに物事をフッフッとかわしていっているようなイメージで、リアクションも柔らかい感じで……。二枚目というよりは、どちらかと言うと二枚目半みたいな、そういう人物だったので、構えずにのびのびとやっていました。でも、アニメでは描かれていませんが、実は、彼は、この壮絶な戦いの歴史を後世に伝えるべく書き記しているんですよね。もしかしたら、この物語の語り手なのかもしれない……。そういうことも頭の隅で意識しながら、のびのびしたスタンスは変えずにやらせて頂いていましたけどね。
ひとつ印象に残っているのが、彼が30歳を迎えたときの、“僕は何も悪いことなんてしていないのに、何故30歳にならなければいけないんだ!”という台詞です。でもね、僕は言ってあげたいです。『アッテンボローくん、30歳なんてまだまだ若い!(笑)決しておじさんではありません! もう少し歳をとったら、きっとあのときは若かったなあ、と思うはずです。その若さを発揮して、いつまでも頑張って頂きたいと思います』ってね(笑)
――アフレコに際して、何かエピソードはありましたか?
僕は、個人的に、富山敬さんが大好きだったんです。この世界に入ったときも、無意識のうちにどこかで富山敬さんを目指していた部分があったように思います。だから、その富山敬さんとずっとご一緒できたっていうのが、いちばん嬉しかったですね。あとは、いつも飄々としているキートン山田さんの“マイペース感”もとても好きでした(笑)他にも、とにかく名だたる声優さんがほとんど出演されていたので、スタジオに行くのが楽しかったです。先輩たちの良い部分を出来るだけ頂いてしまおうという気持ちでやっていました。
――『銀河英雄伝説』という作品にはどのような印象がありましたか?
始まった当初は本当に続くのかなあ、なんて思っていたのですが(笑)、本当に長い作品になりまして……。なんだか、大きな海に漕ぎ出してしまったような、壮大な歴史の1ページに参加させてもらっているような、そんな印象がありましたね。