――ファーレンハイトという人物について、どのような印象をお持ちですか?
一見クールに見えますが、内に熱いものを秘めていて、だからこそ義に篤く、男らしい人物だと思います。そして、大局的にものを見ることができる軍人ですよね。下級貴族の出身なんですが、軍人としての非凡さが認められて、どんどん出世していく……。それでいて、軍人という枠には縛られていない、ひとりの人間として自由な人物なのではないかと感じました。
――演じる上で苦労したのはどういう部分ですか?
苦労するというか……、シーンごとに展開されていくドラマを、新鮮さを持って演じていたので、苦労というよりも楽しさの方が大きかったですね。ただ、収録が、1シーンごとに収録するというやり方だったんです。普通の30分のアニメーションの場合は、前半15分、後半15分に分けて一気に録るのですが、この『銀河英雄伝説』は、本当に1シーンずつ、まるで映画のように録っていったので、自分のテンションを保つのに少し苦労したというのはあります。
――アフレコでのエピソードがありましたら、教えてください。
割と大きなスタジオで、暗い照明の中で収録を行なったのが、気持ち良かったですね(笑)。まるで自分がファーレンハイトになったかのような雰囲気の中で録音ができました。ただ、本当に出演している声優の人数が多かったので、(別々の収録になって)同じ話数に登場しているのにお会いできない方がたくさんいらっしゃったのは、少し残念でした。
――『銀河英雄伝説』という作品について、どのように思われますか?
DVDで45枚!(笑) これは、快挙と言って良いと思います。他には誰も為し得なかったことなのではないでしょうか。それを実現したスタッフの勇気と努力に拍手を送りたいと思います。