第24回野田圭一<ビッテンフェルト>「2001年DVD制作時インタビューより抜粋」
血気盛んで猪突猛進の戦士をテンション高く演じる
“黒色槍騎兵”艦隊を率いて陣頭に立ち、部下たちを鼓舞するその姿は、「猛将」と呼ぶにふさわしい。攻勢に強く、その破壊力は宇宙最強と称されたが、好戦的で短気な性格のためか守勢に弱く、ラインハルトに叱責されることも多かった。数々の失敗や粗野な言動にもかかわらず、どこか憎めない好人物、ビッテンフェルトを豪快に演じた野田圭一が語った。
――ビッテンフェルトについて、どのような印象をお持ちですか?
猪突猛進の、正に“軍人そのもの”という人ですよね。とにかく戦闘が好きで、登場するときは大抵、誰かに食ってかかっていたり、命令していたり(笑)。単細胞で血気盛んな戦士です。この人の本当の優しさ、人間性などは、僕には分からないままでしたね(笑)。
この作品にはこういうタイプの人間も必要だな、という役柄だとは思います。よく考えて行動するのではなく、一本調子でタターッと突進してしまうタイプで、戦闘要員としてはひとりぐらいは必要な人材ではないかと思いました。
――ビッテンフェルトを演じる上で苦労されたのはどのような点ですか?
ビッテンフェルトは、登場するやいなや叫び出すんですよね(笑)。やっぱり、いきなりというのはね、困りましたね(笑)。ビッテンフェルトは大抵、そうでしたからねぇ……。
それから、最初は台本にルビが振られていなかったんです。それでいて、“黒色槍騎兵艦隊”と書いてあって、“シュワルツ・ランツェンレイター”なんていう読み方でしょう。「えっ!?」という感じでしたね。難しい言葉もたくさん出てくるし(笑)。ただ、この作品の独特の言葉遣い、これはやはり面白くて、今回はどんな風なんだろう?という感じで、毎回新鮮な気持ちで台本をめくっていました。
――ラインハルトについては、どのように思われますか?
若くして「皇帝」と呼ばれる地位にまで昇りつめたわけですから、資質的にも優れているし、それでいて上品さも知力もあるし……。やはり、人の上に立つべき人間なのだなぁ、という感じがしますよね。
――『銀河英雄伝説』という作品についてはどのように思われますか?
最初に台本を頂いたときには、「これは一体どういう作品なんだろう!?」と不思議な印象を受けました。とにかく、世界観も台詞も、今までの他のアニメとはまるで違う作品だな、というのが僕の最初の印象です。
本当にスケールの大きいアニメで、まだ見ていない人には、やはり一見の価値のある作品だと思います。
< 野田圭一 プロフィール>
9月16日生まれ、山口県出身。青二プロダクション所属。
劇団現代喜劇で新劇を学んだ後、声優の世界へ入る。出演している主なアニメーション作品には、TVシリーズ「サイボーグ009[第1作]」(ビュンマ役 1968年 テレビ朝日)、TVシリーズ「バビル2世」(ロデム役 1973年 テレビ朝日)、TVシリーズ「グレートマジンガー」(剣鉄也役 1974〜75年 フジテレビ)、TVシリーズ「一休さん」(蜷川新右衛門役 1975〜82年 テレビ朝日 )、映画・TVシリーズ「サイボーグ009[第2作]」(ジェット・リンク役 1979〜80年 テレビ朝日)、TVシリーズ「かりあげクン」(木村課長役 1989〜90年 フジテレビ)など多数がある。