――ムライについて、どのような印象をお持ちですか?
喜怒哀楽をほとんど表面に出さず、どちらかと言うとクールで、僕が昔演じた『宇宙戦艦ヤマト』(1974〜83年 日本テレビ)の真田(志郎)のように、激することのない、沈着冷静な印象です。
緊迫した場面になると、どうしても激して声を張って演じてしまいがちですが、それを抑えて演じました。テンションを上げるのではなく、内に秘めているテンションと言いますか……そういう内面的な部分が伝わる演技を心がけたつもりですが……。
ムライは、戦闘のシーンにはあまり登場しませんでしたね。後方でいろいろ作戦を練る、といった仕事が多い役でしたから、作戦会議でクールに発言している、その延長線上の演技が多かったです。
――ムライを演じる上で苦労したのはどういう部分ですか?
初めの頃は、ムライの感情を自分に引っ張ってくるというか、自分の感情に当てはめるような感じで、割と喜怒哀楽を激しく表現していたような気がします。ですが、(明田川進)音響監督のアドバイスもあって、だんだんそうではないクールな表現方法に切り替えていったような記憶があります。
――『銀河英雄伝説』という作品について、どう思われますか?
本当に壮大な“絵巻物”ですよね。初めてご覧になる方も、心して見てください。きっと飽きることなく、逆にどんどん惹き付けられていくはずです。そういう作品なので、是非1度見てみてください。