銀河英雄伝説 ON THE WEB

Interview

第27回小山茉美<ジェシカ>「2001年DVD制作時インタビューより抜粋」

自分を全てさらけ出して演じた“強い女”

 「あなたはいま、どこにいます――?」婚約者を戦争で失った彼女の叫びは、『銀河英雄伝説』において最も強く心に響く言葉のひとつであろう。ヤンの初恋の女性でもあり、その強さと悲劇性とによって物語に鮮烈な印象を残す女性、ジェシカを演じた小山茉美が語った。



――ジェシカという人物については、どのような印象がありますか?

 ヤンの親友、ラップの婚約者であるわけですが、そのラップが死んでしまい、後に遺されて、実は、ヤンをとても頼りにしていたような気がします。その反面、なんとか自分の力で頑張って生きていこう、という芯の強さみたいなものを持っている女性だったように思います。静かな強さを持っていた女性ですよね。

――アフレコに際して、何かエピソードはありましたか?

 大人向けの渋い作品ですから、スタジオの中も比較的静かでした。アニメーションのアフレコをしているというよりも、映画の吹き替えのような雰囲気で、ナチュラルな芝居を要求されたような記憶があります。
もともと原作が小説であるということで、原作のイメージは大切にしたいと思っていました。小説は、読みながら自分でイメージを作っていくものなので、読む人によって抱くイメージがそれぞれ違いますよね。ですから、なるべく多くの方を裏切らないようにと、人の意見を聞いたりして探り探り役を作っていきました。
私は、とにかく、何も考えずに自分自身を全てさらけ出して……本当に、全開にして演じることを心がけているんです。そうすると、何故か“強い女性”に上手くフィットするようです。私本人は決して強いとは思わないのですが(笑)。周囲からは、普段も“強い女”だと思われています。本当は、違うんですよ(笑)

――『銀河英雄伝説』について、どのように思われますか?

 とにかく大河ドラマというイメージがとても強いですね。膨大な出演者であり、壮大なお話であり……。
DVD化されたことが素直に嬉しいです。私たちの仕事は、オンエアされるとそのまま消えていってしまうものなので、それが形になってずっと残っていくということは、本当に嬉しいですね。

< 小山茉美 プロフィール>

1月17日生まれ、愛知県出身。青二プロダクション所属。
舞台俳優を経て声優となり、少年少女から動物まであらゆる役を演じ分ける。出演している主なアニメーション作品には、TVシリーズ「ニルスの不思議な旅」(ニルス役 1980〜81年 NHK)、映画・TVシリーズ「Dr.スランプ アラレちゃん」(則巻アラレ役 1981〜86年 フジテレビ)、TVシリーズ「魔法のプリンセスミンキーモモ」(ミンキーモモ役 1982〜83年 テレビ東京)、映画「千年女優」(藤原千代子役 2002年)、TVシリーズ「MONSTER」(エヴァ・ハイネマン役 2004〜05年 日本テレビ)、映画・TVシリーズ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」(タリア・グラディス役 2004〜05年 TBS)など多数がある。