――リンツという人物について、どう思われますか?
いかにも軍人らしい軍人、だと思います。『銀河英雄伝説』には、人間味が前面に溢れ出ているようなキャラクターが意外と多く、カスパー・リンツにもそういう面は見られないわけではないのですが、意外と軍人として“こうでなければいかん!”という信念が強い人だという印象です。
実は芸術家志望で、少年の頃は画家になりたかったとか、歌が非常に上手いとか、そういう部分に対しては、彼の中にはそういう一面も存在していたんだなあと、「へぇ、意外だなあ」という感想を持ちましたね。
――アフレコでのエピソードは何かありますか?
リンツを演じる上では、特に難しかったということはありませんでした。ただ、出演されている他の声優さんは、僕なんかより先輩の方が圧倒的に多く、僕もよく知っている方たちばかりだったのですが、皆さん本当に個性豊かで、それぞれに自分の持ち味を存分に発揮されて演じていらっしゃって……。そういう中で、僕はそんなにたくさんの台詞がある役ではないながらも、先輩たちに負けないようにと必死でした。一言一言で“キラッと光る”とまではいかなくても(笑)、リンツらしさを充分に表現できれば、と思って演じていました。
現場での、大先輩たちを目の前にして演じる緊張感がとても印象深く、本当に楽しめた作品でした。
――『銀河英雄伝説』について、どのような印象がありますか?
とにかく、一大巨篇というイメージです。非常に長くて、ストーリー展開にも幅があって……、一言では言い表せないほど大きな作品ですよね。