銀河英雄伝説 ON THE WEB

Interview

第31回中尾隆聖<マシュンゴ>「2001年DVD制作時インタビューより抜粋」

無口な職業軍人の存在感を、苦労して表現

 フェザーンに派遣されたユリアンに武官補として同行して以来、「人は、運命には逆らえませんから」と、忠実で有能な護衛役としてヤンやユリアンに仕え続けた。台詞は少ないながらも、心優しい力持ち・マシュンゴを好演した中尾隆聖が、『銀河英雄伝説』について語った。



――マシュンゴという人物について、どのような印象がありますか?

 とにかく、無口だったんですよね(笑)。 いかにも職業軍人という感じで、あまり話さない人物だったので、台詞が本当に少なかったです(笑)。 1話につき、ほんの一言二言くらいだったのではないでしょうか。ですから、本当に「無口な役だったなあ」という印象なのですが……(笑)
印象に残っている台詞は、やはり「運命には逆らえませんから」という一言ですね。他には「はい」とか「いいえ」とか、とにかくセンテンスの短い台詞ばかりでしたから(笑)

――マシュンゴを演じる上で、苦労したのはどのような所ですか?

 少ない台詞の中で、どれだけインパクト、存在感を出すかということですね。これがなかなか難しいんです。あとは、職業軍人ということで、自分なりにきっちりとしたしゃべり方を心がけた記憶がありますね。

――原作をどのように意識して演じましたか?

 原作のある作品はどのような作品でもそうですが、どうしても原作とは変わってしまう部分がありますからね。参加するときは、いつも、「私で良いのかな」「私でなくても、もっとぴったりの方がいらっしゃるのではないかな」なんて思ってしまったりするのですが、そういう風に考えてしまうと、それが芝居に、声に出てしまうので、原作を意識するときは極力「このキャラクターは、私だ」と自分に言い聞かせて、その作品に入るようにしています。僕は、どちらかと言うと、いろいろな声が出せる器用なタイプではなく、俗に言う“癖のある声”“癖のあるしゃべり方”なので、それが逆にこの役を演じるには良いのだと自分で思い込んで、自分の中で咀嚼、消化して演じています。

< 中尾隆聖  プロフィール>

2月5日生まれ、東京都出身。81プロデュース所属。
俳優としての名声も高く、数々のテレビドラマに出演していた。声優として出演している主なアニメーション作品には、映画・TVシリーズ「 それいけ! アンパンマン」(ばいきんまん役 1988年〜 日本テレビ)、映画・TV シリーズ「 ドラゴンボールZ 」「 ドラゴンボールGZ」 (フリーザ役 1989〜1997年 フジテレビ) 、 TVシリーズ「 王ドロボウJING」(キール役 2002年 BS2)、TVシリーズ「BLEACH」(涅マユリ役 2004年〜 テレビ東京」、 TVシリーズ 「BUZZER BEATER」( ハン 役 2005年 WOWOW) など多数がある。