――『銀河英雄伝説』のアフレコに関して、何かエピソードはありますか?
スタジオの画面が大きかったんですよ(笑)。今は、3台くらいのテレビ画面を置いて、声優たちが何組かに分かれてその前に立って収録をすることが多いのですが、『銀河英雄伝説』のときは、ひとつの大きなスクリーンに皆で向かう形だったので、みんなこう……顔を上向けて台詞を言わなくてはならなくて、それが大変でした(笑)。どうしても、顔を上向けると声が高くなってしまうんです。それに気を付けるのが、きつかったですね。それから、そのせいでマイクの前に入れ替わるのも大変でした。シーンによっては本当に大勢出演している所があるので、平気で人にぶつかってマイクを奪ってしまったり、逆にぶつかられたり……(笑)。上を向いているから両側の人に気がつかないのもあるし(笑)。基本的には長く一気に録音することは少なくて、シーンごとの収録が多かったのですが、たくさんの出演者がいるシーンは、確かそういう感じでした。
一緒に出演した声優さんたちは、仲が良かったですね。いつも冗談半分のようなことを言いながら……、あ、もちろん仕事は真剣にやるのですが(笑)、冗談の割合が少し多いだけです(笑)
――『銀河英雄伝説』について、どのような印象がありますか?
出演が決まって絵コンテを見せて頂いたときに、当時僕は35歳ぐらいだったのですが、「こんなオジサンの役が来た!」と驚いたことをよく覚えています(笑)
出演している当時はあまりよく分かっていなかったのですが、後から客観的に考えると……やはり“大河”ですよね。『スター・ウォーズ』(ジョージ・ルーカス監督 1977〜2005年)に匹敵するアニメなのではないかと思っています。
僕は少ししか出ていませんが、皆さん、長い間よくやられていたなあ、と思いますねぇ。堀川(りょう)さんとか、ナレーションの屋良(有作)さんとか……、彼らは本当に大変だったでしょうねぇ……。