――グリーンヒルについては、どのように思われますか?
「おぉ、格好良いおじさんだなあ!」と思いましたよ(笑)。 なかなか渋めの、良識のある軍人だったと思います。それでいて、割と家庭的で女房思いで……。亡くなった奥さんに「なあ、母さんや……」なんて娘のことを語りかけるモノローグがあったことを覚えています。
演じるにあたっては、ひとりの人間として公私を問わず全ての面で同じ調子である人物を心がけていましたので、軍人だから強い口調で軍人らしく話す、などといった作業は敢えてしないようにしたつもりです。
――アフレコに際して、何かエピソードはありますか?
シーンごとに収録をしていくやり方で、ストーリーの流れでは録っていないので、記憶は曖昧なのですが、とにかく、非常に和気藹々としたいい雰囲気で収録していましたね。
ひとつだけ気になったのは、台詞のテンポが結構早かったことです。間がない、溜めがないというか、とにかく台詞としてはかなり早かった。だから、「これでいいのかなあ?」と半信半疑でしたね(笑)。こちらとしては、もっと考えながら、「なあ……、母さんや……」という具合に、もう少し勿体を付けて言いたいわけですよ(笑)。 ところが、収録はどんどん進んでしまうものだから、少し恐ろしいような気がしていた覚えがあります。
――『銀河英雄伝説』について、どのような印象をお持ちですか?
“超大物作品”という印象がありますねぇ。もう10年以上も前の遠い過去のことなので、細かい記憶は定かではないのですが……、アオイスタジオという大きなスタジオの、それもいちばん大きなスタジオで収録をしていたので、「ああ、これは映画並みの大掛かりな録り方だ」と思ったことを覚えています。