第35回郷里大輔 <オフレッサー>「2001年DVD制作時インタビューより抜粋」
“ケダモノ系”のキャラクターでも、強さの裏にある感情を演じる
一騎討ちでの戦闘能力は、ミッターマイヤーやロイエンタールですら恐れるほど。下級貴族出身にもかかわらず、白兵戦で直接流した血の量によって最高幹部の地位を手に入れた。数多い本作品の登場人物の中でも、ひときわ異彩を放つ個性的な猛将・オフレッサーを演じた郷里大輔が語った――。
――オフレッサーとはどのような人物だと思いますか?
叩き上げの人なので、意外と“デキる男”で、物事に動じないですよね。そして、上級幹部なので、庶民的な……下々の(笑)感覚ではなく、部下たちの命を守りながら国のために戦うという気持ちで演じましたね。
僕は、強いケダモノ系のキャラクターを演じることが多いのですが(笑)、ただ強さだけを表現してもそれだけになってしまうので、強さの裏には家族や子供もいる生活があり、愛があるというような……強さの中にも、どこか愛情、苦しみ、そういったものがある、ということを演じようと思っています。
――アフレコの際、何かエピソードはありますか?
映画を作るときに使うことが多いスタジオでの収録だったんです。ですから、スクリーンも大きくて、スタッフも気合が入っていましたね(笑)。……(スタジオの使用料が)きっと高かったのだろうなあと思っているんです(笑)。映画を何故大きなスタジオで収録するかというと、小さなスタジオで録音すると、大きな映画館で流したときに、画面と音との少しのズレが目立つらしいんです。昔、1度録音した作品を、そのスタジオで再度収録し直したこともあります。ですから、最初から大きな画面に合わせて収録をしたという、相当気合の入った作品だったという印象が残っていますね。
――『銀河英雄伝説』について、どのような印象をお持ちですか?
とにかく、スケールが大きくて……、その大きさがいちばん印象に残っています。戦いがあったり、恋愛があったり、まさに“人生”が詰め込まれている作品だと思います。僕たち声優は、作品のスケールに負けないように演技をしていましたねぇ。見て頂いて、描かれているスケールの大きさと、生きるとはどういうことなのかということを少しでも感じて頂ければ、出演者としては嬉しい限りです。
< 郷里大輔 プロフィール>
2月8日生まれ、東京都出身。青二プロダクション所属。
低音で良く響く声が特徴的で、大柄で筋肉質の男性キャラクターを演じることが多い。声優として出演している主なアニメーション作品には、映画・TVシリーズ「キン肉マン」(ロビンマスク役 1983〜92年 日本テレビ)、映画・TVシリーズ「魁!!男塾」(江田島平八役 1988年 フジテレビ)、映画・TVシリーズ「機動警察パトレイバー」(山崎ひろみ役 1989〜1990年 日本テレビ)、OVA「紺碧の艦隊」(東郷兵八郎役 1993〜03年 徳間書店)、TVシリーズ「サムライチャンプルー」(渋井松之介山役 2004年 フジテレビ)、映画・TVシリーズ「かいけつゾロリ」(ブルル侯爵役 2004〜05年 テレビ朝日)など多数がある。