エミール・フォン・ゼッレ様
君を初めて知ったのは、小説の中の「エミール・ゼッレ少年」と言う表記でした。読み進めてみると、君と君が尊敬する皇帝陛下とのやりとりがとても暖かなものに感じられました。豆のスープで怒られたり泣いてしまったり慰められたりと、殺伐としがちな作中にあって、一抹の清涼剤にも感じられます。
君の皇帝陛下への忠誠に、深く共感を覚えている所です。
実の所、私にも君で言う皇帝陛下にあたる方がいます。現在通っている調理師学校の先生で、技術にも優れ経験もあり、とても尊敬できる方です。
君が皇帝陛下に注ぐような忠誠心と共に、その方の力になることができたらいいなとしがない学生の分際ながらに考えていますが、周りには優秀な学生ばかりがいるので、なかなかどうして上手く行かないものです。
尊敬している方から声を掛けられるだけでも、雑用を言いつけられるだけでも嬉しいもので、たまに何かを言いつけられると緊張ばかり。なかなか君のようにスマートにてきぱきと動けません。君の能力と才能はピカイチだと思いますよ。
君が羨ましいです、ほとんど常に尊敬できる方と一緒に在ることができて……。
これからも、皇帝陛下に尽くして差し上げてください。君ならば皇帝陛下の主治医に、帝国随一の良い医師になれると信じています。
かしこ
城嶋遼 より |